・先週は「食品ロス」と「食糧廃棄」の話をし、データのとり方で、日本の食糧廃棄は、そこまで高くないということでした。
・そこで、本日は食糧問題についてですが、現在、食糧問題が叫ばれていますが、篠さん!なかなか実感がわかないですよね??
・国連によると、2050年までに世界の作物収穫量は最大10%減少する可能性があり、その理由として、土壌の侵食が挙げられます。
・私達が口にする食べ物の大半は土壌、つまり土に由来しますが、世界ではその土壌が雨や風などの影響で流出する土壌侵食が深刻になっており、例えば、穀倉地帯のアメリカ中西部では農務省が持続可能と推定する2倍近くのスピードで土壌の侵食が進行。
・では、土壌の侵食はどうすれば防げるのか?
農業では作物が根を伸ばしやすくするために、土地を耕すことが一般的に行われていますが、実はこれが土壌侵食の大きな要因。そこでアメリカの農務省は、土地を耕さない不耕起栽培という方法を推奨。
・不耕起栽培は土地を耕す作業自体を省略できるため、人件費・燃料費の高騰やESG投資への関心の高まりを考えると、今後一段と浸透していくと言われ、アメリカの食品大手のペプシコやゼネラル・ミルズが環境問題への対応の一環として契約している農家に不耕起栽培を推奨しているのでした。
・食糧問題が加速中、議論されるのがやっぱり、食品廃棄率。
下げろという議論が一般的ですが、「色んな角度から物事を見る」というこの番組で視点を変えて見ますと…「食品を捨てるな。余らせるな」。という意見が大多数ですが、食品が余っている状態というのは、非常時の余裕が大きいということも言えます。
・もし余剰食糧がなくなったら、天候不順の度に飢餓が起きる可能性が発生し、また輸入に頼ることが多い日本において、世界中で不作が続くと、余剰食糧が無い場合、国民の安全保障という目線で見ると…それが担保できるかどうかという考え方も必要なのではないでしょうか。