前回の日光ニュースで、環境をテーマにした日光観光を打ち出す計画もあるというお話がありましたが…
観光客が入国する際、環境へ署名が義務付けられている国あり、それがパラオです。
以前、「サステイナブルツーリズム」という概念を紹介しましたが、このコンセプトを国家レベルで実行しているパラオでは、入国の際
環境保護誓約「パラオ・プレッジ(Palau Pledge)」への署名が義務付けられ、パスポートにスタンプが押されます。
11個のチェックリストがあり、違反すると罰金も課されます。
例えば「果物や植物を採らないこと」、「海洋生物に餌を与えないこと」といった禁止事項から、「地元のビジネスやコミュニティをサポートすること」、「現地の文化や人について学ぶこと」という推奨事項まであります。
またパラオが凄いのは、観光客だけではなく、パラオ人もこの契約書に署名をしている点。
「変化をおこすにはすべての人のコミットが必要である」というパラオ大統領の考えが反映されているのです。
とはいえ、旅行者が楽しめるように禁止や推奨事項だけでなく、特典も用意。
観光アプリ「Ol’au Palau」(オラウパラオ)では、旅行者はパラオの自然や文化を大切にすると、アプリにポイントが貯まり、パラオで特別な体験ができる仕組みなのです。
ポイントが貯まるのは、カーボンオフセットをしたとき、サンゴに優しい日焼け止めを使った、文化的に価値のある場所を訪れた、地元で調達されたフードを食べた、使い捨てプラスチックの使用を控えた時など。
ポイントで提供される特別な体験として地元の年長者と会ったり、タロイモのツアーや、伝統的な釣りや隠れた場所にある洞窟探索、人里離れた場所でハイキングをしたりなど、通常であれば、パラオの人やその親しい友人しか体験できないことを用意。
特別な体験をお金で買うのではなく、サステナブルツーリズムの真摯な姿勢を見せることで地元と共存し、仲間として受け入れられる旅行プランなのでした。