世界に一つのSDGsニュース

世界で争奪戦が過熱する飛行機燃料。ヨーロッパに行けなくなる日が来るかも?

海外旅行がまた元のように戻ると、飛行機の動きが活発となります。
以前CO2排出量の2%以上を占めるゴーストフライトのお話をしたと思いますが、それにも増して、CO2が増えそうですよね?

そこで現在、排出量削減に向けて新しい燃料が注目を集めており、それが「SAF(サフ)」(Sustainable aviation fuel)と言われるもの。

SAFの原料となるのは、植物や飲食店・家庭用の廃油などから作ったバイオ燃料で、従来の原油と比べ二酸化炭素排出量を80%程度減らせるとされており、カーボンニュートラルの切り札として、期待されているのですが…
世界中で品薄状態が続いており、争奪戦が展開されているのです。

なぜ品薄なのか??

1つは製造コストの問題で、従来の燃料の2倍から10倍のコストがかかるとされます。
また、本格的に生産を始めている海外の企業などが、日本国内の使用済み食用油を高値で買い取るケースが増えていているのも原因の一つ。

もう一つは、ヨーロッパの規制によるもの。
ヨーロッパでは、航空会社に燃料の一定割合をSAFにするよう義務づける動きが展開されており、各国、義務が達成されないと、ヨーロッパに飛行機を飛ばせないと言います。

そのため、日本の航空業界でも、「海外で飛ばせなくなるのではないか」という強い危機感も持っているのですが、SAFの製造量は1%未満で、世界に対し「日本は周回遅れ」という声があります。

そこで期待されているのが、篠さんが以前話されていたバイオベンチャーのユーグレナのミドリムシが持つ油。
航空燃料に近い油を作り出すように培養方法を工夫し、実用化にこぎ着け、SAFを使用したフライトに成功。
大量培養する商用プラントを25年に稼働させる計画。

現在日本では、2030年までに国内の航空会社が使う航空燃料の10%をSAFに置き換える目標を掲げています。

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