世界に一つのSDGsニュース

環境が叫ばれている日本が「化石賞」!? 石炭火力発電が減らない事情とは?

日本が世界の中で常連になっている賞として「化石賞」というものがあります。
化石賞とは気候変動対策で後ろ向きな行動や、発言をした国に贈られる不名誉な賞なのですが、選出の理由として、日本は温暖化対策に消極的だと判断されたため。

日光市でもゼロカーボンシティ宣言をし、その他の自治体でも環境対策への動きは加速し、日本はそんなに消極的ではない印象ですが、どうなのでしょう?

選出理由の一つに、昨年開催されたCOP26(気候変動枠組条約締約国会議)での声明に「温室効果ガスの排出削減対策」がとられていない「石炭火力発電所の廃止」に関するものがあったからでした。

これに対し、ヨーロッパ各国など40か国余りが賛同しましたが、日本のほか、中国やアメリカなどは賛同しませんでした。
ではなぜ、日本が賛同しなかったのはなぜなのでしょうか。

膨大なCO2を排出する石炭火力発電で、Coal Japan(石炭の日本)とも呼ばれてしまう日本は、脱石炭社会からほど遠いと世界的に認識されてしまっています。

もちろん日本も石炭火力の割合を減らしていきたいとは考えており「エネルギー基本計画」によると、2030年度までに現状の石炭火力発電量の30%を19%まで減らしてはいくものの、完全にゼロにはできないという考え方もあります。

ゼロにしたくても、すぐにはできない事情があり…。
例えば、日本は森林が多いため、太陽光パネルの適地が少ない。また石炭の価格は、ほかの燃料より安く、安定的な電源と位置づけられていたり、石油と違い中東だけに依存しなくてよく、オーストラリアなど比較的近い国からも輸入ができます。
さらに長期保存が出来るため、エネルギーの安全保障上、重要だというのが今の日本政府の考え方なのです。

さらに製造業の多い日本では、工場などの電気代がそのままコストになるため、電力消費量の多い業界を中心に石炭火力をやめることで、電気代が上がるのではないかとの懸念もあると言われています。

とはいえ、日本としては石炭火力の割合を着実に減らしつつ、排出削減の技術を実用化し、脱炭素の道を探っていく事を継続しているのでした。

-世界に一つのSDGsニュース